進路選択の話になると、よく「手に職をつけることが出来る理系がいい」「理系は就職に有利」という話題が出る。しかし、有利不利と本人の向き不向きは別である。
自分には文系理系どちらが向いてるのか。将来に明確な目標がない生徒の多くがここで悩む。
「文系」 文学、法学、経済学、経営学、社会学、心理学、外国語学…
「理系」 医学、薬学、歯学、看護学、農学、理学、工学…
一般的にすぐに思いつくのはこんな感じだろう。
しかし最近は文理融合、学際学部も増えている。「文系理系どちらも学びます」というものだ。
共創学部、人間科学、総合科学など。
ここまでで、少し文系理系の境が曖昧になってきた。
文系理系の定義
では、そもそも文系理系の定義って何だろうと調べてみた。
どうやら、絶対的な基準があるとか明確な定義はされてないようだ。また、文系理系の分け方は日本独特らしい。おそらく明治時代、理系は実験器具などが高価で費用がかかるため定員を制限する必要があり、そのため、数学の試験で文系理系と分けたという。その時の名残がいまだに残っているようだ。
振り返って現代は、東京工業大学にリベラルアーツを導入したり、理系で有名な東京理科大学は「経営学部」があるし、香川大学医学部には「臨床心理学科」が出来た。
心理学は従来、主に文学部の学科として扱われるのが多かったが、実際入ってみると意外に統計処理など数学を扱うことが多い。結局「数学が苦手で文系に進んだのに…」というパターンが発生する。「文系理系」という選択基準がうまく機能しなかった例だ。
もはや、現在では進路選択の「ものさし」としての「文系理系」はもう大学の現実に会わなくなってきているようだ。
海外ではどうかというと、主に人文科学、自然科学、社会科学と分けられるようだ。こちらの方がまだ現実にあっているのではないか。
物差しの陳腐化
結局、進学先の大学が学際化してますます文系理系の境が曖昧になっているのに、中学高校の進路指導現場がいまだに旧態依然とした「文系理系」という物差しを使っているから、当の生徒たちはますますわからなくなるのだな…ってことですな。
このように現代の中高生は、膨大な情報の中から自分に適した情報を探し出さなければならない。○×二択だけで単純化して選べるような安易な選択は出来ない状況だ。親御さんたちも「子供の進路は本人に任せていますから」などと言わず、一緒になってあれこれ考えてあげてください。
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